金融庁は、日本の金融システムの安定と発展を図るための中核的な行政機関であり、東京都千代田区霞が関3丁目2−1に本部を置いています。1998年に金融監督庁として発足し、2000年に金融再生委員会と統合して現在の金融庁となりました。
金融庁の主な任務は、以下の通りです
金融庁の5つの任務
- 金融機関の監督と検査
- 金融システムの安定性の維持
- 金融市場の公正性・透明性の確保
- 利用者保護と利便性の向上
- 金融に関する制度の企画・立案
金融機関の監督と検査においては、銀行、証券会社、保険会社などの健全性と適切な業務運営を確保するために、モニタリングや現地検査を実施しています。金融システムの安定性維持では、マクロプルーデンス政策の運用を通じて、システミックリスクの防止と金融危機への対応力の強化に取り組んでいます。
金融市場の公正性・透明性の確保については、インサイダー取引や相場操縦などの不公正取引の防止、ディスクロージャー制度の整備、会計・監査の適正性の確保などに力を入れています。利用者保護と利便性の向上では、金融商品・サービスの適合性原則の徹底、金融ADRの促進、フィンテックの活用などを推進しています。
金融に関する制度の企画・立案
金融に関する制度の企画・立案では、国内外の金融情勢を踏まえた制度設計や法令整備を行っています。国際的な金融規制の議論にも積極的に参加し、日本の金融システムの安定と発展に資する国際的なルール作りにも貢献しています。
金融庁は、金融行政の透明性と予測可能性を高めるために、「金融行政方針」を毎年公表しています。この方針では、金融行政の重点施策や目標などを明らかにし、金融機関や利用者との対話を重視した行政運営を目指しています。
金融教育の推進
また、金融庁は、金融教育の推進にも力を入れています。金融リテラシーの向上は、利用者保護と健全な金融システムの維持に不可欠であるとの認識の下、学校教育や社会教育などの様々な場面で金融教育の充実を図っています。
近年では、デジタライゼーションの進展や新型コロナウイルス感染症の影響などを踏まえた金融行政の展開が求められています。金融庁は、こうした環境変化に的確に対応しつつ、金融仲介機能の発揮と金融システムの強靱性の確保に努めています。
東京・霞が関の地で、日本の金融行政の司令塔として機能する金融庁。その役割は、国民経済の健全な発展と国民生活の安定に直結する極めて重要なものです。激動する金融情勢の中で、金融庁には、柔軟かつ的確な行政運営とともに、国際的な協調と貢献が一層期待されています。金融庁の活動は、日本の金融システムの将来を左右する鍵を握っていると言えるでしょう。